5.お茶の抗菌作用
茶は、腸管に感染するコレラ菌、赤痢菌、チフス菌、呼吸器に感染する百日咳菌、肺炎マイコプラズマ、食中毒を起こす腸炎ビブリオ、サルモネラ、黄色ブドウ球菌、また水虫を起こす白癬菌、胃十二指腸潰瘍の原因菌とされるヘリコバクター・ピロリ、溶血性尿毒症症候群を起こす腸管出血性大腸菌
O157、さらに多くの抗生物質が効かないMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)、ペニシリン耐性肺炎球菌など、多くの細菌や真菌(かび)に対して抗菌効果を示します。

ふだん飲んでいる濃さの1/10の薄さの茶1mlで1万個の細菌を殺菌します。殺菌に要する時間はそれぞれの細菌で異なります。茶の中の殺菌物質の本体は、渋み成分のカテキンで、そのうち最も殺菌力が強いのは(−)エピガロカテキンガレートです。カテキンは、ある種の抗生物質と同じように、細菌の細胞膜を傷害して殺菌します。またカテキンは、ペニシリン系の抗生物質と併用すると、その抗生物質の抗菌力を高めます。

茶には、殺菌作用のほかに、細菌が出す毒素を解毒する働きもあります。その本体もカテキンです。コレラ毒素、百日咳毒素、腸炎ビブリオ耐熱性溶血毒、黄色ブドウ球菌の腸管毒、腸管出血性大腸菌O157のベロ毒素を解毒することができます。カテキンは抗毒素抗体と同じ働きをします。茶はコレラや食中毒の予防に有効であると考えられています。

(参考文献)
島村忠勝著:奇跡のカテキン、2000、PHP研究所(東京)